緊急対応24時間365日当院は紹介状がなくても受診頂くことができます
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カテーテルアブレーションは不整脈を引き起こす異常な心臓内の局所をカテーテルで治療して正常のリズムを取り戻す治療です。正式には経皮的カテーテル心筋焼灼術とよばれます。
足の付け根や首の静脈から径1.3mm~4.3mmのカテーテルを3~5本挿入して治療します。カテーテルには、不整脈の診断、治療効果の判定に用いる電極カテーテル、超音波で心臓を観察する心腔内超音波カテーテル、治療に用いるカテーテルなどがあります。
心房細動、発作性上室性頻拍、心房頻拍、心房粗動、心室頻拍、心室期外収縮、WPW症候群など、治療適応のある不整脈のすべての治療が可能です。
当院では治療中の苦痛がないように、全身麻酔または静脈麻酔薬を用いて深く眠っている状態(深鎮静)、すなわち患者さんの意識がない状態で治療します。
原則3泊4日の入院ですが、状況に応じて短縮することも可能です。
対象とする不整脈によって異なりますが、心房細動では40分~2時間、その他の不整脈では1時間~3時間程度が大半です。
当院では2016年以来、延べ4000件以上の治療経験があります。2025年の治療件数は855件でした。
心房細動は肺静脈の異常な電気興奮が引き金になっていることが発見され、その除去により治療できることが1990年代後半に発表されました。それ以降、高周波通電の熱により、肺静脈周囲の心房筋を含めて大きく焼灼する方法が行われるようになりました。この方法は効果が高いものの、周囲にある食道や神経に熱が伝わり一時的(稀に恒久的)な障害が発生し得ることが問題でした。
その後、熱による食道・神経への影響を心配せずに治療できる高電圧パルス通電による治療(パルスフィールドアブレーション)が開発され、本邦には2024年に導入されました。
パルスフィールアブレーションでは、肺静脈入口部に円形あるいはバスケット型に広げたカテーテルをはめ込んで通電し、4本の肺静脈と、その周囲の心房筋を壊死に陥れます。持続性心房細動では、左房後壁隔離を追加することがあります。
心房細動へのパルスフィールドアブレーション(グレーが治療された部位)
発作性心房細動や持続1年以内の持続性心房細動ではおおよそ85%、1年以上持続する持続性心房細動例では70%の方が1回の治療で正常リズムが保たれます。治療後に心房細動が再発する原因の大半は、初回治療部位以外の場所からの不整脈ですので、それらを治療するために2回目の治療を受けていただくことも可能です。
発作性上室性頻拍には、①房室結節リエントリー性頻拍; 房室結節につながる余計な通路と正常の通路を旋回する頻拍、②房室回帰性頻拍; 副伝導路という心房-心室間の余計な通路(副伝導路)を介して大きく旋回する頻脈)があります。
心臓の各所の電極カテーテルを留置して、頻拍時や心臓各所の電気刺激を行った時の電気の流れを調べることによって、上記のタイプを診断することができます。
そして、その原因となる場所をカテーテルで焼灼することによって、90%以上の方がその後発作なく過ごすことができるようになります。房室結節リエントリー性頻拍では、房室ブロックという合併症の危険性の低い冷凍アブレーションを用いることもできます。
非通常型心房粗動は、以前に心臓手術を受けたことのある方やカテーテルアブレーションを行ったことのある方に発生しやすい頻拍です。回路は様々であるため、三次元マッピングシステムという機器を用いて、詳細に電気の流れを調べ、最も効果的な場所を見つけて焼灼します。回路が1-2個である場合の成功率は85%と良好ですが、3個以上ある場合はすべてを治療しきれないことがあり成功率は70%程度です。
心房頻拍は心房のある一点から発生する頻拍で、三次元マッピングシステムを用いて心房の中で最も早く興奮する場所を探して焼灼します。頻拍が容易に誘発される患者さんでは、治療の効果の判定が容易で成功率も90%となります。
心臓に器質的な異常のない方に発生する期外収縮の大半は、心室流出路に発生します。三次元マッピングシステムを用いて不整脈起源を同定し焼灼します。半数以上が右室からのアプローチで治療できますが、大動脈弁、あるいは大心静脈からの焼灼が必要な症例、まれに心外膜側からの焼灼が必要となることもあります。治療時に期外収縮が頻回に出現しないと従来は起源の同定が困難でしたが、最新の機器ではわずかな手がかりで起源を同定する機能が付加され役立っています。治療成功率は85%程度です。 心臓に異常のない方に発生する心室頻拍は、上記の心室流出路起源の他、左室のプルキンエ線維という特殊な刺激伝導系に発生することもあります(特発性左室心室頻拍)。この頻拍はベラパミルという薬剤で停止・抑制されるのが特徴ですが、アブレーションの治療効果も高く90%程度の成功率が期待できます。
心筋梗塞・心筋症・心サルコイドーシス・不整脈源性右室心筋症などの心疾患に発生する心室頻拍は、カテーテルアブレーションで発作頻度を大きく抑制することが可能です。三次元マッピングシステムを用いて、心室の内側あるいは外側から電気の波高や電気の流れを調べ、頻拍回路を推定します。また、実際に心室頻拍を誘発して、頻拍中の電気の流れを記録し、治療すべき部位を明らかにすることも可能な場合があります(図)