呼吸器内科

私たちかわぐち心臓呼吸器病院呼吸器内科では、常勤3名、非常勤4名体制で診療を行っており、慢性咳嗽から集中治療を要する急性呼吸不全まで幅広く対応しています。

急性期の治療が終了した後は地域の先生方と連携を図り、患者さんが病気と上手く付き合いつつ生活を送れるような診療を心がけています。

また呼吸器疾患と心臓疾患は表裏一体でもあるため、循環器内科や心臓血管外科の先生方とも協働して、治療に当たっています。

呼吸器内科 佐藤 庸子

主な対象疾患

  • 気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 細菌性肺炎などの呼吸器感染症
  • 間質性肺炎などのびまん性肺疾患
  • 気胸や胸膜炎などの胸膜疾患
  • 急性呼吸不全、慢性呼吸不全

当院は結核病床がないため、結核菌を排菌(痰の中に結核菌が存在し、周囲に感染させるリスクが高い)している場合には治療ができませんので、指定施設へ転院いただいています。

また、肺がんや中皮腫など悪性疾患に対する抗がん剤治療は行っておりませんので、近隣のがん診療連携拠点病院をご紹介いたします。

主な手術・検査・処置
などのご案内

手術・検査・処理名 説明
CT検査 64列マルチスライスCTにてHRCTや3D画像を構築し、肺野以外にも気管支動脈や異常血管の走行、肋骨骨折など詳細な診断に役立てています。
呼気一酸化素窒素(NO)検査 呼気中のNOを測定することによって気道の炎症の程度を調べるもので、気管支喘息や慢性咳嗽の診断に有用です。
呼吸器内視鏡検査 現在外来での定期検査は行っておりませんが、入院中の患者さん特に集中治療室において、喀痰採取や気管支肺胞洗浄検査(BAL)、喀血の部位診断などを行っています。
また義歯やナッツなどの誤嚥物除去や継続する肺漏に対するEWS治療も行っています。
睡眠時無呼吸検査 外来での簡易検査と、より正確な診断のために一泊入院でのポリソムノグラフィー検査を行っています。
6分間歩行検査 6分間平らなところを歩いていただきながら距離や酸素飽和度を測定し、運動能力の評価や酸素療法の必要性について調べます。

呼吸器内科
外来表

 
9:00〜12:00 河越 高橋 石割 阿部 岡野 鈴木
山口 木下
13:30〜17:00 河越 高橋 石割 阿部
(診察15:00まで)
岡野
中野 島津

概要と特色

呼吸器内科では、長引く咳嗽や喀痰、労作時の息切れなどの症状の方、アトピー咳嗽や気管支喘息、肺気腫や慢性気管支炎といった慢性閉塞性肺疾患(COPD)、 細菌性肺炎や抗酸菌感染症などの呼吸器感染症、間質性肺炎などのびまん性肺疾患、気胸や胸膜炎などの胸膜疾患、肺癌などの腫瘍性疾患、急性/慢性呼吸不全の診療を行っています。

検診等で指摘されたレントゲンでの胸部異常陰影の精査も行っています。

市中病院としては珍しく当院は7床の集中治療室を有しており、COPD急性増悪、間質性肺炎急性増悪、両側肺炎/敗血症によるARDSなどの呼吸療法、集中治療を行っています。

更に重症急性呼吸不全に対する膜型人工肺(ECMO)治療を使用できる日本でも数少ない病院の一つでもあります。

また、カテーテル治療に慣れた循環器科と協働して、気管支動脈造影検査(BAG)/気管支動脈塞栓術(BAE)も行っています。

チーム医療

多職種によるサポート/指導を行い、個々の患者さんに合わせた個別化診療/治療を行っています。

理学療法士による呼吸リハビリテーション、管理栄養士による栄養指導、薬剤師による吸入指導等によって、呼吸器疾患を患っていても身体機能を維持し、日常生活を送れるようサポートしています。
入院中は専門看護師による病気に対する教育や日常動作指導などを行っています。

在宅での長期酸素療法(LTOT)や非侵襲的陽圧呼吸療法(NPPV)の導入、必要に応じて気管切開下人工呼吸療法(TPPV)の導入も行っています。
臨床工学技士や理学療法士とも相談しながら、適切な酸素療法や呼吸療法が行えるよう指導していきます。

退院後も継続した治療を受けられるよう、地域/近隣の先生方と連携しています。
また、難病申請や呼吸器機能障害の身体障碍申請についても、医療社会福祉士とともに相談を承っています。

入院中に人工呼吸器、呼吸療法(酸素療法を含む)、気管切開による気道管理を行っている患者さんを対象として、 呼吸を専門とする医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、理学療法士、言語聴覚士、管理栄養士からなる呼吸サポートチーム(RST; Respiratory Support Team)が担当スタッフをサポートします。

RST Respiratory Support Team

呼吸を専門とする医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、理学療法士、言語聴覚士、管理栄養士からなるサポートチームが人工呼吸器、呼吸療法(酸素療法を含む)、 気管切開による気道管理を行っている患者さんを対象として、週1回の院内ラウンドと担当スタッフのサポートを行っています。

当院は救急病院のため緊急手術や重症心不全が多く、また呼吸療法を要する患者さんも多いことが特徴です。
早めにRSTが介入し、急性期を脱した後は早期に人工呼吸や呼吸療法から離脱できるよう、活動を行っています。

気管支動脈塞栓術(BAE)

陳旧性肺結核や抗酸菌症、慢性肺感染症、気管支拡張症等による血痰/喀血に対して、気管支動脈塞栓術(BAE)を行っています。

血痰/喀血が多い場合、止血剤や安静でも改善しない場合には、原因となる責任血管に塞栓物質を詰め、出血しないよう治療します。

前もって造影剤を使用したCT検査を行い、放射線科と協働して異常血管の3D再構築を行い異常血管の走行を確認します。
カテーテル検査/治療に卓越した循環器内科医と協働することで、安全かつ確実な治療を目指しています。